[レポート] All About Chatbot! ~ チャットボット構築 & 実践 Chatbot Chalk Talk #decode19
こんにちは、Mr.Moです。
2019年05月29日、30日 ザ・プリンス パークタワー東京にてMicrosoft社による年に1度のテクニカル カンファレンス『de:code 2019』が開催されました。
当エントリでは、初のChatbot Chalk Talkということでチャットボットについて議論を深めていくセッション『All About Chatbot! ~ チャットボット構築 & 実践 Chatbot Chalk Talk』についてレポートしたいと思います。
セッション概要
初お目見えの Chatbot Chalk Talk では、実際にチャットボット開発、POC、導入を始めてみた皆様と、Microsoft Bot Framework / Azure Bot Service を中心とするチャットボット開発にまつわる、参加型ディスカッションの場をご提供いたします。
チャットボットという新しい ”文化” を導入するための目標設定やプロセス、ユーザーのニーズに寄り添うための複数スプリント開発やテスト方法、効果的な AI / Azure Cognitive Services の活用、といったチャットボット構築&実践にまつわる皆様の悩み共有やディスカッションの場とさせていただければ幸いです。
スピーカー
大森 彩子
日本マイクロソフト株式会社
クラウド&ソリューション事業本部 テクニカルエバンジェリスト
中村 憲一郎
日本マイクロソフト株式会社
セッションレポート
- ざっくばらんに質問タイム
- 【質問】機器の故障に関する問い合わせチャットボットがあったとして、問い合わせ対象の機器の特定をユーザに負担させることに疑問
- 事例があり、夏になるとエアコンが壊れた問い合わせ増える、自分で診断するチャットボットを用意、型番が書いてある場所への誘導
- 事例、ネジや工具に対する問い合わせ、カメラで撮影した写真を送る、カスタマーサービス側でネジの種類など判定できるようにしておく、該当するQAあればそれを自動で返し、なければ人間でカバー
- チャットボットは最初は作り込みすぎないように簡単に導入を目指す、徐々に機能追加していく(導入しても使われないケースも発生しうるため)
- 【質問】多言語への対応を共通のコードで実現できないか(英語、日本語といった複数)
- 翻訳を使う場合もあるが、翻訳する言語で相性があるので注意(英語ドキュメント->日本語への翻訳あまり上手くいかない)
- dispatcherが主流、チャットボット側で英語を返す機能、日本語を返す機能を切り分けて呼び出す
- 【質問】チャットボットは他にどう活用できる?
- 自動受付でチャットボットは活用できる
- 社内事例、会議室予約をチャットボットで行っている
- 【質問】チャットボットを導入するとどのくらい効率化できる?
- KPIを設定してみるものの(例えば問い合わせがどのくらい減ったか)、実際にはやってみないと分からないというのはある
- チャットボットを導入することで問い合わせが増えるという可能性もある(問い合わせしやすくなったことにより問い合わせが増える)
- KPIは必ずしも減る方向に設定しないほうが良い
- 【質問】会議室を代理予約する場合、チャットボットはどのように実装する?
- 代理の場合で通常の予約と違うのは予約完了メールは自分に飛んでこないというところ
- なのでチャットボットの方に完了の情報を通知する必要はある
- 予約キャンセルへの導線もチャットボットのメッセージなどで
- 必ずしもチャットボットだけでやらなくても良い場合もある、他のツールとの連携して棲み分け
- 【質問】チャットボットのシナリオをどう管理するか
- ケースバイケース、しっかり設計する場合もある、アジャイル的に行う場合もある
- UXにかかわる話
- 1つの対話フローを大きくするのではなく、細分化された小さい対話フロー同士をチェーンするようにする
- LUIS(Language Understanding)を使えばダイアログの中でいくつかききたいことが事前に埋まるといった恩恵もある
- Bot Builderを使えば上記が柔軟に対応できる
- Botのブランディングイメージとそこからユーザが何を期待するかについて
- 例えばPonchoというチャットボットに対しユーザはどういう機能を想像する?
- 名前と絵などからユーザが期待する機能の範囲を連想させる、何をするチャットボットなのかがわかるのが良い
- 間とタイミングの話、即答するより1秒ぐらい待って返答する方がユーザの理解度が上がるというのがある
- 非テキストの話
- ユーザの入力として地図情報をチャットボットに送ったり、チャットボットからLINEのステッカーなどが送られたり
- 非テキストを活用すると入力が楽になったり、チャットボットから送られてくる非テキストもやり取り少なくできる効果が、リッチさ増す
- Cognitive Services アップデート(ボット関連)
- Personalizer(コンテキストに対するアクションをレコメンド)
- LUIS(Language Understanding)
- QnA Maker
- Bot Framework/Bot Service アップデート
- Python/Javaで使えるようになった(プレビュー)
- Adaptive Dialog(ユーザの言ってきた情報量によって制御し動的に質問を変える)
- Language Generation(セリフパターンをランダムで選べる)
- Common Expression Language
- 新しいテンプレート(Visual Studio用)
- Skills(他のチャットボットを自分のチャットボットの機能かのように呼び出せる)
- Analytics
まとめ
参加者からの質問が非常に活発でした。
質問を通じて様々な事例・解説を交えて話していただけたのはありがたかったですね。
また、Bot FrameworkやCognitive Servicesを組み合わせるとチャットボット開発にかなり強力な支援を受けられそうです。